人間ドックの費用と医療費控除
人間ドックは、健康な人が利用するサービスですので、保険診療は適用されず自由診療になります。
したがって人間ドックの料金(価格)は、各施設が独自に決めていますので、サービス内容とは関係なく、周りの医療機関と同じ料金体系にしている「地域性」が見られるのも、人間ドックにおいては事実なため、同じ検査項目であっても、施設によって人間ドックの料金(価格)が違うのです。
人間ドックは、保険診療ではありません。そのためすべて自己負担になりますが、人間ドックは労働基準法、労働安全衛生法で定められている健康診断に含まれているため、企業等が加入している健康保険組合によっては、年齢などの条件(35歳あるいは40歳以上)を満たせば一定額の補助金が出ることがあります。
また、人間ドッグの医療費控除(所得控除の1つで、納税者本人または本人と生計をひとつにする配偶者やその他の親族のために、年間に一定額以上の医療費を支払った場合、その費用を所得から控除できるというもの)は、その結果次第で、対象になるかどうか変わってきます。
診断の結果、重大な病気が見つかって治療を受けたときは、その人間ドッグ費用は控除の対象となりますが、健康だった場合は対象外になります。
人間ドッグは比較的、高額なものが多いので、受ける前に実施機関の検査項目や、サービス内容が、受診者自身の望んでいるものと合っているかを良く確認・検討してからじゅ受診することをお勧めいたします。
診断施設の選び方
人間ドッグは、生活習慣を改善したり、生活習慣病を予防したり、病気の早期発見・早期治療を行ったりするために、なるべく定期的な受診が必要です。
定期的に自分の健康状態をチェックし、生活習慣病を引き起こすような生活習慣を見直し、小さいうちに病気の芽を摘んでしまうことが大切です。
しかし、健康保険の効かない人間ドッグの検査費用は、決して安いものではありません。初めて人間ドッグを受診するときは、日本病院会や日本人間ドック学会などで認定されている施設の中から選ぶのが無難だと思います。
この認定制度は、2005年4月から本格的にスタートしたもので、認定を受けた施設はまだ少ないのが現状です。これから順次、増えてゆくと思われます。人間ドックを選ぶ場合、建物や設備などの外見ではなく、診断レベルや医療の質にこだわって選びたいものです。
人間ドッグの受診を申し込む前に、施設内を見学したり、スタッフの様子や設備の様子などを観察するのも良いかも知れません。
また、かかりつけのお医者さんや、加入している健康保険組合、あるいは住んでいる地域の保健所に、人間ドッグ施設を紹介してもらう方法もあります。
なお、より正確な結果を求めるためには、人間ドッグの受診を申し込んだ際に手渡されるパンフレットや書類を熟読して、その指示に従うようにしましょう。パンフレットを読んで、少しでも疑問や不安があったら、問い合わせてみることです。
それと、経年で検査データを確認することが重要になってきますので、受診する人間ドックは、できるだけ同じ施設で、受診するのが望ましいと思われます。
普通の病気の治療でもそうですが、良い病院は自然に人々の評判が良くなります。有名な病院でも人間ドッグには、さほど力を入れていない所があります。人間ドッグに力を入れている病院の中から、まわりの評判などを考慮して選ぶようにしましょう。
人間ドッグで何か異常が発見された時、過去のデータを遡って調べることは、その病気の発症時期を推定するのに重要です。人間ドッグの時間や日数を長く取られて、説明はほんの2~3分では、受診者にとって満足感が少ないと思います。
半日人間ドックで、その日のうちにすべてのデータを分析し、結果を出すということは、今の医学では不可能ではありませんが、その信頼度は不確かです。
人間ドックの場合、心電図や胸部X線写真をはじめ、上部消化管造影、腹部超音波検査、眼底写真など、さまざまな画像診断の項目があります。正しい判定をするには、十分に訓練を受けた専門医を、それぞれの分野で配置しなければなりません。
この体制を維持するのは、質的にも経済的にも現状では難しいため、当日に結果を出すことを「目玉」にしている人間ドックは信用しないほうが良いと思われます。
また、すべての結果に異常が発見されなくても、生活習慣の指導などを詳しく説明し、きめ細かく指示してくれる病院が、良い評判を呼びます。